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yumi presents.

yoga & days…

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かないくん  

谷川俊太郎が一夜で綴り
松本大洋が二年かけて描いた絵本。


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言葉の重みと絵の力に ただただ圧倒される。

「おわり」ではなく「はじまり」と捉える死生観。

これは 理解するよりも 感じて味わう作品なのだ。

とても深い…。


category: book

『身体にきく』  

先日 徘徊堂古本市@TOORIにて購入した本がとてもよかったのでご紹介。

『身体にきく』



食べ方や眠り方・ふとしたため息・あくびや背伸び・腕組み脚組み・貧乏揺すりなど 
人が無意識におこなってるしぐさや動作には 実はちゃんとした意味があるそうです。

そんな無意識の運動によって絶えず身体は微調整を繰り返し
緊張をゆるめ リラックスし 身体のエネルギーの流れをよくしているのだとか。

そして そういった動きはすべてそれぞれが持つ身体の癖…
つまり「体癖」が関係しているんだそうです。

最初のテストで12種類の体癖のどこに自分があてはまるのかを見つけていきます。

私は泌尿器型(ねじれ)8種。
これがおもしろいくらいあてはまっていてびっくり。

腎臓にエネルギーが集中しやすいため 疲れると腎臓に熱がこもり働きが悪くなる。
腎臓に疲れが出やすいため湿気が苦手。
低気圧が近づくと身体がだるくなり脚がむくむ。
普通に歩くだけで足首をくじいたりする。
下半身に力強さがある。
自己完結度が高い(孤独に強い)。
集団行動が苦手。

身体の特性だけでなく心理面行動面もばっちりあたってる笑。

普通の整体なら「体癖」を矯正するんだろうけど
本書では逆に「体癖」を肯定的に捉え積極的にを活かすアプローチが紹介されています。 

それぞれの体癖にあった身体とのつきあい方を教えてくれるのがうれしいですね。


本書の興味深いところはこれだけに留まらず
人間関係もこの体癖同士のつきあいだと捉えているところです。

親子関係・夫婦関係・恋愛関係・友人関係…

波長が合う合わないは気の流れが原因というけれど
その気の流れこそ体癖が大きく関与しているのだそうです。

本書のメインは実はこっちじゃないかな…と思いました。

体癖というのは性格以前の感受性。
変えようと思って変えられるものではない。
だから自分の体癖も他人の体癖も受け入れて積極的にいかしていくことが大切。

その箇所を読むと心がずいぶん楽になります。


整体法というよりセラピーに近い感覚の本。
身体と心の関係を理解するのに最適な一冊です。


category: book

『晴天の迷いクジラ』  

昨年の山本周五郎賞・本屋大賞第2位に輝いた『ふがいない僕は空を見た』の著者
窪美澄さんによる待望の新作。



仕事に追われ心を失いつつあることにさえ気づかない青年。
過酷な過去を背負う倒産寸前デザイン会社の女社長。
親の過干渉に苦しみ引きこもりとリストカットを繰り返す少女。

生きることに戸惑い 疲れ 壊れかけた3人のお話。



読み終えてしばらく放心。
前作と同じくなかなか感想がまとまらない。

一週間経ってようやく心が定まってきたので
流れ出る想いをそのまま素直に書き綴っていくことにします。

窪さんの書く作品は なぜこうもたくさんの切なさとやるせなさが渦巻いているのだろう。

ページをめくる手は重たいのに 先へ先へと急ぐ不思議な感覚。

主人公3人の息苦しさや温度・匂いといった空気感が生々しく伝わってくる巧妙な描写に
胸がどくどくと波打つ。

人間は弱くて残酷で複雑。

殺伐とした環境は人の心を蝕み 空虚なものへと追い込む。

言い換えるなら
生き生きとした人間関係なくして有意義な人生は送れないということ。

前作が「性」と「生」に真っ向から立ち向かった作品であるのに対し
今作は「人間関係」(特に親子)を克明に描いた作品。

そのどちらにも共通しているのは 
苦境に陥った登場人物たちの最後が「希望」で終わるという点だ。

それは夜空に輝く満天の星みたいにわかりやすい形ではなく
ぼんやりとしたわずかな光に目を細めるような儚げな陽炎みたいなもの。

がんばれよ!と強く背中を押すのではなく
何も言わずにただ寄り添ってくれる…
そんな押しつけがましさのない「生」へのエールがとても素敵。


窪さんの作品は「人生の重み」を見つめる視点と表現がすばらしく
その筆力の高さは惚れ惚れするほど。
言葉のひとつひとつを胸に沁みこませながら大切に読み進めていきたい
そう思わせる魅力的な文章ばかりです。

ちなみに大好きなデビュー作『ふがいない僕は空を見た』は今秋映画公開予定。
こちらも楽しみ。

category: book

『悪の教典』  

ずっとずっと読みたかった話題作。

その分厚さと上下巻セットの重厚感に少し尻込みしていたせいもあり
なかなか手を出せないでいたんだけど…(総ページ数800強)

ヨガ友michiyoさんからこの貴重な2冊をありがたくも拝借
むさぼるように一気に読み上げたしだいであります。


『悪の教典』


生徒に絶大な人気を誇り PTAや職員の間でも抜群に評判のいい教師が
反社会性人格障害(サイコパス)だったとき 惨劇へのカウントダウンが始まった。

英語科教諭・蓮実聖司 32歳。

暴力生徒や問題父兄・淫行教師など
現代の学校が抱える病理に骨まで蝕まれた私立高校で 彼は何を行ったのか。

高いIQをもつ殺人鬼は“モリタート”の旋律とともに犯行を重ねていく。

2010年度「このミステリーがすごい!」第1位
「週刊文春ミステリーベスト10」第1位・第1回山田風太郎賞。



上巻は予想通り…というか
予想を上回るほどの期待を膨らますようなスピード感溢れる展開に釘づけ。

爽やかなイケメン教師ハスミンの悪を悪とも思わない(気づかない?)淡々とした殺人鬼ぶりに
すっかり心を掴まれる。

一気にスピードに乗りたい下巻は…

ちょっと度が過ぎたかな。
せっかくのリアリティが半減してしまった感多々あり。

それでも 作者の確かな筆力によって最後までペースダウンすることなく読み終える。
さすがの貴志ワールド。

1羽残ったカラスの動向が気になりつつ
そうなるとやっぱり続編がありそうで 第2の展開を期待したりして。  

映画化するなら主演はSMAPのゴローちゃん希望。

category: book

『かたちだけの愛』  

スタイリッシュでお洒落な恋愛小説。

『かたちだけの愛』



事故で片足切断の大怪我を負った女優と
偶然彼女を救ったデザイナー。

心を通わせていく二人はそれぞれに見失っていた「愛」を取り戻そうとする…。

切なくも美しい愛のかたち。


平野啓一郎の作品には「難解」というイメージがあって
これまではちょっぴり縁遠いものだったんだけど
今作は著者初の恋愛小説ということで 早い段階から興味が湧いていた。

意外と平易な文章でさらさらと読み進めることができる。

頭がいい人が恋愛を描くとこんな感じになるんだな…
と 妙に納得したりして。

恋と愛と生とアイデンティティ。

複雑に絡み合いながらも
生きる希望に満ちた「愛のかたち」が表現されている。

category: book