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「プレシャス」  

ハーレムを舞台に 過酷な運命を生きる16歳のアフリカ系アメリカ人少女
クレアリース“プレシャス”ジョーンズの人生を描く人間ドラマ。

「プレシャス」


幼児虐待や家庭内暴力といった事件が後を絶たない昨今
日本ではその問題が大きくクローズアップされ
日々新聞やメディア等を賑わせている。

いじめと同様 虐待やDVに関しても
それが事件として社会に明るみに出るのは氷山の一角で
日常の闇に葬られている件数は想像を遥かに超えるものに違いない。

そんな日本の社会的大問題が
アメリカにおいては日常茶飯事的に行なわれている。

事件と呼ぶべきか日常と呼ぶべきか
目を覆いたくなる悲劇の数は日本の比ではない。

この作品は
80年代の貧困層の実態・社会福祉・教育・エイズ問題などを浮き彫りにし
社会の底辺や弱者たちの悲惨な現実を 時に力強く時に静かに物語っている。

何がここまで劣悪な環境を生み出したのか…

それはアメリカが抱える人種差別の根底にある
「無知」という概念に大きく起因している。

「無知」は弱者を生み出し
制圧するものと制圧されるもの 弱肉強食の構図を作り出し
そこに秩序や人間らしさなどの知性は見る影もなく
逆に無秩序で暴力的な世界が繰り広げられるだけなのだ。

その世界に存在するものはそこから這い上がることができない。
「無知」であるがゆえに這い上がる術を知らないから。


主人公“プレシャス”はまだ16歳という若さでありながら
驚くほど壮絶で過酷な人生を歩んできた。

そんな自分の人生に屈することなく 
立ち向かうための強い心と勇気を持ち
這い上がる術として彼女が選択したものが「教育」だった。

彼女が少しづつ自分の力で自分の置かれている環境を打破していくさまは
健気で切ない。



この作品をとてもリアルなものにしているのが
主人公プレシャスを演じた全くの素人ガボレイ・シディベの自然な演技と
彼女の母親を演じたアカデミー最優秀助演女優モニークの凄まじい演技。

自分の子どもに対してなぜこんな酷いことができるのか
なぜこんなにも酷いことをされて黙っているのか

壮絶な演技が生々しく 心が引き裂かれるようにつらい。

だけど 理解を超える恐ろしさや悲しみは
プレシャスの強さと優しさに包まれることを 次第に知る。

彼女に助けの手を差し伸べる人々の存在も欠かせない。

プレシャスに初めて愛を教えるポーラ・パットンの美しさが
痛み続ける私たちの心を癒してくれる。

マライア・キャリーやレニー・クラヴィッツといった大スターが
一瞬誰だかわからないほどそのオーラを見事に消して
静かにプレシャスを支えていく姿はホントに素晴らしかった。



感動的とかいいとか悪いとか…
一言で評価できる映画ではない。

未来は決して希望の持てるものではなく
これまで以上に過酷なものになるかもしれないプレシャス。

最後 彼女が前を向いて踏み出していく姿には衝撃が走り
いろいろな想いが頭を駆け巡った。

とても重たい作品だけど 彼女の前向きさに救われた気がする。 

category: movie

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