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yoga & days…

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いのち  

先週祖母が亡くなった。

その朝病院から電話があり、急ぎタクシーに飛び乗る。
朝イチのクラスはたまちゃんに代行をお願いして。

ヨガウェアにビーサンという何とも残念な出で立ちで病院に到着したとき、祖母はまだ弱いながらも自発呼吸をしていて、最期まで自力で命を全うしようとしていた。

1人で祖母の傍らに座りその様子を見守っていたら、先生が病室に入ってきた。

「人の生き死にの瞬間をよーく見ておくんよ。人を看取る経験は誰もができるもんじゃない。今の若いもんは命の重みをわかっとらん。あんたたちが次の世代に命の大切さを伝えていかなね。」

私には2人の父がいて、その2人ともをすでに失くしてる。
実の父は私が生まれてすぐ病気で他界したので覚えてない。
2人めの父は大学のときにガンで亡くなったが、その最期には間に合わなかった。

近しい人を看取るのはこれがはじめて。

幼い頃、父はおらず母は働いていたので、私の面倒は祖父母が見てくれた。

庭に咲き乱れる草花や飛び回る虫の名前を教えてくれたり、
たっぷり砂糖とインスタントコーヒーの甘い甘いコーヒー牛乳を作ってくれたり、
虫さされに庭のアロエをちぎって塗ってくれたり、
普段は優しいけど食事中は好き嫌いをしないよう厳しかったり、
離れた場所にあるトイレが怖かったから朝に夜についてきてくれたり、
繰り返し中耳炎になる私を耳鼻科に連れて行ってくれたり。

戦争の話もたくさん。
日赤従軍看護婦として満州に渡りロシア兵と対峙した武勇伝は幾度となく聞かされたもんだ笑。

とても勝ち気で男性を圧倒するくらいエネルギーに満ちた人だった。

祖父は20年ほど前に他界していて、今の祖母には私以外の血縁者はいない。

私が看取ることを祖母は決めていたんだろうな。
私は祖母に呼ばれたのだ。

2ヶ月前に肺に水がたまり入院し、危ない状態と言われながらも口から食事をとりつづけ看護士さんたちを驚かす。次第に衰弱、ついに食事ができなくなり、それでも呼吸器に頼ることなく自発呼吸で1週間。

苦しい中自らの呼吸を繰り返す祖母。
その力強い生き様に畏敬の念を払わずにいられなかった。

生きるってすごい。
命って偉大だ。

真横でずっと祖母の呼吸を、皮膚の動きを、体温を確認していながら、息を引き取るその瞬間はどこだったか。明らかではない。

目元が柔らかくなる。
口元が動きを止める。
呼気がなくなる。
頸動脈が脈打つのを止める。

その後の静寂の中に生と死の境目があった。

先生が瞳孔の開きを確認して
「逝かれたね。ようがんばりんしゃった。おつかれさま。」
と言ってくれた瞬間涙が溢れる。

大正・昭和・平成…3つの激動の時代を生きた女性の最期はとても静かで穏やかだった。

満100歳。

大往生です。
心から拍手を送りたい。

祖母が逝った翌朝、博多祇園山笠はフィナーレを迎えた。
山笠のかけ声に乗って博多の街を浮遊する祖母を想像してみる。

100年この世で生きた魂は肉体を離れどこにいくのかな。
元気な人だったからまたすぐ次の場所をみつけるんだろうか。

とりあえず今は、おじいちゃん、お父さんたちに囲まれて華やいでることだろう。

おばあちゃん、安らかにね。

category: life