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『ブルックリン』  

ブルックリンを訪れたのはもう1ヶ月以上も前のことなんだなあ。
月日の流れは本当に早い。

『ブルックリン』
ブルックリン

1950年代のアイルランド。パイ屋で働く少女エイリシュは、姉の勧めに従い、家族と離れ、たったひとりで海を渡りニューヨークへと出稼ぎに向かうことを決心する。ニューヨークで他の出稼ぎ少女たちと共に暮らしながらデパートの店員として働くエイリシュは、大都会の生活に戸惑いながらも必死に生きて行く。そしてダンスパーティでひとりのイタリア系移民の青年と出会ったことがきっかけとなり、エイリシュはひとりの女性として成長していく。そんなある日、彼女は悲しい知らせを受けて故郷に帰ることになる。彼女の心は、大西洋を跨いだ故郷とニューヨークの二つの間で揺れ動いていく。



1950年代のニューヨークの移民事情の描き方が素晴らしい。

ニューヨークは移民で成り立った街だ。
その延長で、現在は様々な人種が共存する世界の首都として存在している。

本作では、主人公はアイルランド移民で、彼女が恋する男性がイタリア系移民という設定。

アイルランド系とイタリア系というギャップやその本音、移民たちの話す英語や識字についての問題など細く描かれており、こういった点が当時に限らず今も至るところで続いているのだろう、と興味深く想像させる。


ヴィンテージファッションの色使いやデザインも素敵。

下宿先の夕食の席でも女性達はきれいにおしゃれしていて、女性が女性らしい服装をしていた時代。

小さなアイルランドの田舎町とアメリカの洗練された雰囲気の対比がファッションによく表れていておもしろい。


物語はとてもシンプルで、ドラマティックな展開は本作には登場しない。

ただ、ひとりの少女が等身大の女性へと成長していく過程を、丁寧にそして情感豊かに描いているだけの、一見地味な作品だ。

だからこそ、ひとつの人生の選択が顕著に浮き彫りにされる。

彼女の選択は、いつも「より開かれた方」をとっている。
1950年代の時代設定ながらかなり現代的な選択であり、むしろそれは普遍的なテーマでもある。


主演は、2007年の『つぐない』で13歳という史上7番目の若さでアカデミー助演女優賞にノミネートされて注目を集めたシアーシャ・ローナン。『つぐない』での演技は本当に素晴しく未だ記憶に残ってる。

彼女はニューヨーク生まれで幼少時にアイルランドに移住し、現在もアイルランドで両親と暮らしているようだ。今回の役と見事にリンクしていて驚いた。

何もない日常や普通のキャラクターの中にも特殊な煌めきを見出せるのがシアーシャの魅力だということがよくわかる作品で、彼女にとっては少女から自立した女性へとの脱皮を意味する作品もであるなあ、と感じた次第です。

category: movie