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『二重生活』  

『二重生活』
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直木賞作家小池真理子の同名小説を映画化。女子大学院生が近所に住む既婚男性を尾行することで、他人の秘密を知ることに興奮を覚えていく。大学院の哲学科に通う珠は、担当教授のすすめから、ひとりの対象を追いかけて生活や行動を記録する「哲学的尾行」を実践することとなる。最初は尾行という行為に戸惑いを感じる珠だったが、たまたま近所に住む石坂の姿を目にし、石坂の姿を追う。一軒家に美しい妻と娘と暮らす石坂を、珠が尾行する日々が始まった。


哲学はある意味人間観察だ。
自分も他人も含めて。

本作は哲学の論文テーマが「尾行」という、言わば犯罪すれすれのところに設置した危うさが全編を覆っている。

尾行という行為を通して、主人公をはじめさまざまな登場人物たちの日常、秘密を客観的に描き、人間の多様性、二面性(表と裏)を問いかけてくる。

尾行中の様子は手持ちカメラで撮られているため、自分自身が尾行しているかのような気分に陥るが、同時に尾行している主人公を尾行しているようでもあり、なんとも不思議な感覚。

人さまの秘密を垣間みてしまう興奮とスリル、喜びや気まずさなど、複雑な感情が混在する主人公を演じる門脇麦ちゃんがすごくいい。作中ほとんど台詞がないんだけど、その表情や立ち振る舞いなど、自分の感情に戸惑いながらも尾行にハマっていくさまが素晴しかった。

いろいろな人生があるけど、どんな人でも悩みがあり、あなたの知らない裏の顔を持っている。
それは自分自身さえ気づいていないもうひとつの顔だったり。

哲学的要素を多分に含む趣深い作品です。


category: movie