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『ペコロスの母に会いに行く』  

先秋公開時に見逃していたのだけど最近リバイバルで1週間ほど公開してくれたので
待ってましたとばかりいそいそと観に行ってきました。


『ペコロスの母に会いに行く』
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漫画家・岡野雄一が 自分が経験したことをヒントに描いたエッセイコミックを実写化した人間ドラマ。
認知症の老いた母親とその息子が織り成す 笑いと涙に溢れた触れ合いを綴る。



第87回キネマ旬報ベストテンで日本映画一位に選ばれた今作は 
同じく外国映画一位に選ばれた『愛・アムール』と奇しくもそのテーマが同じ。

介護問題。

ますます高齢化の進む昨今 介護問題はもはや他人事ではなく
いつ我が身にふりかかってきてもおかしくない日常。

いや確実にふりかかってくる現実。

最近は映画やTVドラマなど介護問題を取り扱う作品が俄然増えてきた。
それだけ世の中では切実な問題として大きなウェイトを占めてきているのだろう。

今作よりも先に観た『愛・アムール』はまるでドキュメント作品のようで
残酷なまでに息苦しい愛をまざまざと見せつけられた。

介護疲れで介護する人が逆にうつ状態になるという深刻な時代…
実際呆けた人間の世話をするということはかなり忍耐のいる仕事だと思う。

なんだけど 今作は出だしから介護喜劇のように呆けをあっさりと笑いに変えて 
観るものを楽にその世界へと誘う。

その力の抜け感のなんて素敵なこと。

呆けていく当人たちにしてみれば笑いごとではない状況なんだけど
傍から見るとついつい笑ってしまうことも多々ある。

今作でのペコロスのお母さん・みつえの まるでコントをやっているかのような呆けの連続には
冒頭から笑いをこらえきれず 前半は終始笑いっぱなしだった。

それはきっと作り手が愛情たっぷりに親子の関係を描いたからであって
こんな風に楽天的に呆けを捉えられたら社会も世界も平和だろうなー なんて思ったり。

みつえがボケたり記憶が戻ったりを繰り返しながら徐々に悪くなっていくさまは
私の祖母とその姿が重なる。

祖母は90をとっくに過ぎてまだまだ健在だが 1年ほど前から私のことがわからなくなった。

最近は私の母のこともわかったりわからなかったり…とどんどんボケが進行している。

でも祖父のことや父のことはちゃんと覚えている。
覚えているというか 今もなお生きた状態でそこにいる。

祖母の記憶の祖父や父はその当時のままで 彼らの話をする時の祖母は生き生きしている。

祖母にとって「生」を実感できる一番いい時代だったのかな。そのときが。

だから「ボケも悪くない」というペコロスの言葉は 祖母を見ているとその通りだなと思う。

過去と現代を行き来するみつえを通して 
昭和という時代 長崎という土地で戦争を体験した女性の半生を描いていく後半部は
笑いだけでは終わらない人生の豊かさをしっかりと見せてくれてほんとに素晴しい。

母への愛と温かさが全編に満ち溢れた今作。

介護に関心を向けさせるのに 介護がどうこうと熱弁を振るうより 何倍も説得力のある作品です。



category: movie

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