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人権学習  

小学校の成人教育委員になった今年は
有識者の講演会を拝聴したり 福祉施設でのボランティア活動を行なったりする
普段ならきっと自ら出向かないであろう機会にしばしば恵まれている。

本日の活動では 人権学習の一環としてとあるビデオ鑑賞を行なった。

20年ほど前にNHKで放送されたドキュメンタリー番組は
あまりにも衝撃的で 各方面にさまざまな波紋を呼び起こしたという。



『青い目 茶色い目 
 ~教室は目の色でわけられた~ A CLASS DIVIDED 』


 1968年4月 アメリカ北西部のアイオワ州・ライスピルの小学校で
 人種差別についての実験授業が行われた。

 小学3年生の担任ジェーン・エリオット先生は キング牧師の死後 
 黒人指導者に無神経な質問をする白人解説者の傲慢な態度に
 激しい憤りを覚える。

 そこで 「子どもたちを差別意識というウイルスから守りたい」
 という強い気持ちが芽生え 翌日にある実験授業を試みた。

 それは クラスを青い目と茶色い目の子どもに分け
 「青い目の子はみんな良い子です。だから5分余計に遊んでもよろしい」
 「茶色い目の子は水飲み場を使わないこと。茶色い目の子はダメな子です。
 青い目の子と遊んではいけません。」というように 
 青い目の子は優れ 茶色い目の子は劣っていると決めて
 1日を過ごさせるものだった。

 逆に翌日は茶色い目の子は優れ 青い目の子は劣っていると立場を逆転させて
 生活を行なわせた。 

 実験の様子はABC放送の“目の色が巻き起こした嵐”と題した映像として
 残されている。

 

BS世界のドキュメンタリー 青い目 茶色い目 ~教室は目の色で分けられた~(Class was @ Yahoo! Video


 結果 エリオット先生のこの授業は 差別される側の気持ちを実際に体験し
 子どもたちの人種差別に対する考えを変えることができた。

 そしてもう一つ重要なことが判明。 

 実験授業の2週間前と授業をしている2日間 
 そして授業の2週間後に国語と算数のテストを行った。

 子どもたちの点数は優れているとされているときに最高で
 劣っているとされているときに最低を示したのだ。

 さらに授業後はクラス全体の成績がかなり高くなったという。

 2日間の授業で大切なことを学び 
 その大切なことを学んだという意識が生徒たちに自信を与え
 優れていると言われた時の高い得点を維持できるようになったためである。

 大学生を対象に行なわれた別の実験では
 白人の生徒を教室の真中に座らせ 
 有色人種の生徒にその周りで白人を見下すような行動を取らせて
 “差別”を体験させるという授業を行なった。

 そんな中 白人生徒の一人が怒って出ていってしまったのだが
 エリオット先生いわく
 「彼女は授業を受けるか受けないかを選べるけれども
 差別される側には選ぶことなんてできない。
 (その社会に住むか住まないかなんて選べない)」

 つまり日常の差別に対しては闘うよりほかに道がないということを 
 実体験を持って伝えたのだった。

 このように エリオット先生の実験授業は
 大人にも子どもにも人種差別と真剣に向き合い
 人種差別を身近なものとして捉えることを可能にした。



この映像を観ての感想は…

賢く仲の良い子どもたちが 目の色で優劣をつけた後たった15分で
悪意と敵意に満ちた差別をし始めたことに 恐ろしさを感じた。

自分は優れているとされ 相手が劣っていると決め付つけられたことで
“王様のような気分”になって相手を見下すのだ。

逆に劣っているとされた側は
“鎖に繋がれた犬のような気分”だったり“牢屋に入れられてるみたい”だったりして
具合が悪くなったり卑屈になったりするようになる。

これは社会にはびこっている人種問題と同じ構造であって
いわば社会の縮図とも言える。

人種差別はアメリカに比べると日本はまだまだその比ではないから
この実験授業を日本の学校で行う場合 若干意識のずれが生じるかもしれない。

でも そこには優劣によるものだったり 強者と弱者によるものだったり
現実としてどの社会にも姿形は違えども差別は存在していて
それらを理解するためには実際に痛みを感じてみる以上に方法がないのではないか
とも思う。

またこの作品から 人にとって周りから認められることの重要性を強く感じた。

子どもたちのテスト結果にも表れているように
人は認められること・自信を持つことで 
持っている能力を十分にあるいはそれ以上に発揮することができるのだ
ということがわかる。

人権問題ではまず
自分を認める・自分を好きになる…といった自尊感情の大切さを理解し
それを自らが実践することで その姿を周囲や子どもたちに手本として示していく…
といった努力が求められると思う。



少し硬い話題になってしまったけど
奇しくも先日 W杯準々決勝の試合前に
各国の代表キャプテンによる人種差別反対宣言が行なわれたのを目にした。

世界で最も酷い人種差別が行なわれている国の1つここ南アフリカの地で
この宣言がなされるとは意義深いものだな…と何気に感じていた矢先の
今日の人権学習。

あまり差別に慣れていない私たちだからこそ
その存在をしっかりと認識し理解する必要があるのではないだろうか。

無意識では済まされない人間としての生き方を
深く考えさせられた1日なのでした。
 
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category: life