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yumiライブラリーより~東野圭吾と映像の世界~  

ドラマ「新参者」が面白くて家族みんなではまってる。

前に読んだ原作は 
あまりにもすらすらとあっけなく最後まで到達してしまい
ストーリーとしてはよくできているなと感じながらも
スリルやドキドキ感からするといまひとつ。

申し訳ないけど
深い感銘を受けることもなければ突き刺さる衝撃もなかった。




1話1話完結しながら進んでいく話の展開は
人情味溢れる下町の世界が舞台だ。

殺人事件の真犯人を追うといった謎解きがテーマになってるが
それ以上に魅力溢れる町人たちにスポットを当てながら
人間関係の豊かさや切なさを全面に押し出していくスタイルは
映像の世界に見事マッチしている。

ドラマでは毎回主役級の役者陣が出演し
個性溢れるキャラクターたちを熱演。

原作では味わいにくかったサスペンス的要素もうまく盛り込みながら
笑いあり涙ありの演出にぐいぐい引き込まれていく。

結末を知っていても毎回の放送が楽しみでならない。



凄まじいスピードで刊行される最近の東野圭吾作品は
以前のように唸りを伴う深みがなくなってきているようで
実はちょっぴり残念に思っている。

彼の作品で一番のお気に入りは「秘密」
かなり昔の作品だ。

事件性うんぬんよりも
登場人物の心の機微が繊細かつ克明に綴られており
その心情に共感しては胸をえぐられるような感覚を味わった。

ラストの衝撃は今も深く心に残っている。

この作品が映画化されていると知って
いつかレンタルで見てみたいと思いながらずいぶん月日が経ってしまった。


「手紙」もよかった。

これも映画化されているが
原作を読んだときも映画を観たときも同様に
涙を流さずにはいられなかった作品だ。


「白夜行」「容疑者Xの献身」「流星の絆」…など
映像化された東野作品は数知れず…。

原作そのままに いやそれ以上に素晴らしい出来で再現される東野作品は
映像の世界によって更に輝きを増していると言ってもいいくらいだ。

だから 原作ではそこまで魅力を感じなかった「新参者」も
連続ドラマという映像化を受けて 
息を吹き返したかのように生き生きと
驚くほど鮮明にその世界が蘇ったのには驚いた。

彼の作品は読みやすさでは群を抜くため
手抜きをしようと思えばさらりと読みこなせてしまう。

さっと一読しただけでは味わえない奥深くに潜む細かな部分を
映像があっさりと目前に描出してくれるという一石二鳥は
本に興味のない人たちをも巻きこんで
彼の描く世界の面白さを幅広い世代に伝えている。



彼の新刊「カッコウの卵は誰のもの」
最近の作品の中では久々に読み応えがあったが
深く余韻が残るというほどのものではなかった。




それでも 二重三重に張り巡らされたトリックや
ストーリーの構築性は相変わらずキレがあり
この作品もいつか映像化されるな…と 今からその場面が目に浮かんだりする。

彼の作品は脚本不足に悩む映像の世界にとっては
貴重な存在に違いないし これからもそうだろう。

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category: book