yumi presents.

yoga & days…

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「蜜蜂と遠雷」  

先日読み終えたばかりの本が直木賞をとったというニュースが飛び込んで来た。

恩田陸はほんとにおもしろい。

2段組みで500ページ以上あるが、先へ先へと読める。読みたくなる。

疾走感と爽快感。

久しぶりにピアノを弾きたくなった。

蜜蜂と遠雷

category: book

『壁を破る言葉』  

岡本太郎1





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岡本太郎2





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突き抜けてるなあ、太郎さん。

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出口を探している、すべての人へ。


category: book

野矢先生のお話…文体  

「哲学な日々」出版を記念して来福された野矢茂樹先生のお話を聞きに行った。

野矢先生は日本を代表する哲学者であり 東京大学での講義でも高い人気を誇る著名な方だ。

…と言いながら実は oshowさんからこのイベントに誘われるまで私は野矢先生のことを知らなかった。

「哲学な日々」は西日本新聞に掲載された野矢先生の連載随筆「哲学者のいる風景」を集めたもので
その表紙や挿絵をoshowさんが描いていたことから 今回の出会いに繋がったというわけで。


野矢先生のお話は 堅苦しい哲学の講義…というよりは
その辺の小石を拾い集めるようなたわいもない日常のあれこれから始まったのだが
そんなとりとめのない話の中にも 心にすっと入り込んできたり 胸をぐぐっと突き上げてきたり…
随所にキラリと光る「野矢節」「野矢語録」が満載だった。

印象に残るお話は数知れず。

そのうちいくつか抜粋して書いてみようと思う。


〈文体について〉

先生は小学生の頃「ドリトル先生」のお話にハマり 全巻を貪るように読みあさったという。

その後「山椒魚」という小説について感想文を書いたところ佳作を受賞
これは先生が最初にもらった賞だったとのこと。

「山椒魚」を書いた井伏鱒二…
実はこの人「ドリトル先生」の訳者でもある。

井伏鱒二が訳したドリトル先生が大好きで 彼の書いた本も好きで…

つまるところ 先生は井伏の文章が好きだということに気づく。

井伏鱒二の 淡々と飄々とした語り口は独特だ。

それでいて 優しく丁寧な文章は美しくて読みやすい。

ときに物語の語り手が作者自身になると思われることがあり
読者に直接に語りかけるような文体を用いるときがある。

それは同じく先生が好きな村上春樹にも通じているそうだ。

語られる内容・語り手・作者の間の距離感を常に意識した文章。

…哲学とは全く別方向へ話が逸れていくのだが
私にとってはこの話の展開がとてもおもしろくて。

というのも

私も小学生のとき「ドリトル先生」全巻に夢中になったし
「ドリトル先生」で初めて読書感想文の賞をいただいたし
村上春樹も太宰治も好きなのだ(太宰は井伏と師弟関係にある)。

なんと野矢先生と類似点の多いことか。
内心ほくそ笑む私。

ということは 
私の読書の好みも つまり井伏鱒二の文章から始まっていたということになる。

子どもの頃 何気なく出会った作家がその後の読書人生に大きく影響しているなんて考えもしなかった。

そして 好きな本好きな作家というのはその内容以前に文体がらみだという野矢文学論に目から鱗 
先生の話にぐいぐい引き込まれていく。

哲学の話のはずがすっかり文学や文体の話へすり替わってしまった時間
私の胸は高鳴りっぱなしだった。

楽しいなあ。
私は完全に文系だなあ笑。

だから 哲学とは全く無関係なこの話をまず ここに書いておきたかったんだ。

category: book

『ヒーリング・バックペイン』  

mariさんおススメの本。
おもしろすぎてあっという間に完読。


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本書でサーノ博士はこう明言している。

 断っておくが、本書に書かれているのは、背腰痛の「新しい治療法」ではない。
 TMSはこれまでなかった「新しい疾患概念」である。
 となれば、その「疾患概念」に合った方法で治療しなくてはならない。


本書は腰痛や肩こりの治療法ではなく
サーノ博士がTMSと呼ぶ疾患 緊張性筋炎症候群(Tension Myositis Syndrome)について書かれた本だ。

ここでは 腰痛だけでなく肩こりや膝・股関節の痛みなど実に多くの痛みがTMSだと定義づけてある。

どういうことかと言うと 
潜在意識の中にある不安や恐れなどから心をそらすために 脳が体に痛みを感じさせるというもの。

この場合に起こっているのは筋肉・神経・腱の血流減少で
そのことは医学的にもきちんと解明されているんだけど
それらが心の働きのせいで起こる現象だと述べている点がとても興味深い。 

すべての痛みや不快感が心因性のものだと断言するのは行き過ぎだとしても
脳の指令が何らかの形で健康面に作用していることはもはや否めない事実だ。

特に現代病と呼ばれるさまざまな病気はストレスが原因とされているし
ならば そういった筋肉や関節部に関する痛みも 一部はそれが原因だと言っても過言ではないだろう。


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この図を見るとちょっと不思議な感覚を覚える人もいるかもしれない。

「意識的な心」とか「心の目」とかちょっと神秘的?笑

精神世界は理解されづらい分野だし 苦手な人は敬遠するだろうけど
この世のすべてが科学的に解明されているなんてことはまずないし
私たちの想像をはるかに超えたものが今もなお存在するということだけは真摯に受け止めておきたい。

本書の前に読んだ『奇跡の脳』しかり。

以前クラニオセイクラルの講座でお世話になった松本くら先生も
「痛みの8割はその部分が原因の痛みではなく脳の働きによるものがほとんど」
だとおっしゃっていた。

今ならその言葉の意味がわかるような気がする。

私はこれまでも今も腰痛に苛まれたことはないのだけど
ずいぶん昔 子どもがまだ小さかった頃2〜3年ほどに渡って原因不明の偏頭痛に苦しんだり
ちょうど昨年の今頃かな これまた原因不明の倦怠感や関節のこわばりに悩まされた時期があって
今考えるとそれらもTMSだったのかな…と。

TMSによる痛みを治すには原因となる不安や怒りを無くすことではなく
「痛みは自分の不安や怒りからくるのだということを理解し潜在意識に浸透させることだ」と
本書は結んでいる。

実際に数多くの人が博士の指導によるプログラムで腰痛その他の痛みが治っているし
病院を転々としても症状がよくならない人や痛みを何度も繰り返している人にとって
本書は「読む薬」として一度手に取って損はない一冊だと思います。


category: book

『奇跡の脳』  

ゆうこさんが教えてくれた本がとってもおもしろかったのでご紹介。

『奇跡の脳』
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脳科学者として活躍していた37歳の時に脳卒中になり そこから8年もの歳月をかけて復活したジル・ボルト・テーラー博士の体験談。脳卒中によって左脳の機能が失われていく様子を自ら観察し そして回復するまでをわかりやすく説明している。後半は脳卒中によって変化した著者自身の人生観について記載。



著者は脳卒中になってしまったことで ある種「悟り」体験のようなものを味わっている。

脳科学的には右脳と左脳の働きのバランスが崩れたことで「このような状態」を味わっているのだろうけど
科学的な説明だけでは完結できない世界がそこに広がっているのだと私は思う。

「脳のおしゃべりが止み平穏な幸福感に包まれる」とか
「宇宙と融合してひとつになる感覚」とか
伊藤先生がヨーガ哲学講座で話してくださった内容が「胡散臭くなく」笑 すとんと心に入っていく。

それはその世界が 脳科学者としての著者の実体験を通して
科学的とも非科学的とも印象を受ける言葉で語られているからであり
だからときに神秘的でいてかつ強力な説得力を持つ。

「からだの境界がわからない。個体ではなく流体であるかのような感じ。
まわりの空間や空気の流れに溶け込んで からだと他のものの区別がつかない。」

宇宙との一体感ってこんな感じなんだろうな。

脳が定義している「私」という存在は脳が壊れてしまうことであっさりと消え去り
だけど「本当の私」の存在に気づき そこに気づいたときは恍惚の幸せをただただ堪能するだけ。

哲学や宗教学ほど偏っておらずしかも難しくないので
ちょっとそのあたりに興味があるんだけど…という感じで気軽に読んでみてほしい一冊。

万が一 自分もしくは近親者や友人が脳卒中になってしまったときのために あるいはなった後の回復のために
心がけることを学ぶことができる一冊でもあります。

巻末に 解剖学者の養老孟司さんと脳科学者の茂木健一郎さんがそれぞれ解説を書いていて
それらにもなるほど…とうなずき 本書の言いたいことを再確認することができるのもありがたいところ。


category: book